納戸・収納スペースの考え方

収納スペースの問題点

収納スペースは不足しがちです。(特に小規模プラン)

確認するべき《2大ポイント!》
① 充分な収納量が確保されているか。
② 必要な収納スペースが、適切な位置にあるか。

設計時の注意点

収納面積は、建物の面積に比例させがちだが、必要な収納量は建物規模にかかわらず確保する。

収納計画をきちんと立てておかなければ、室内に物があふれがちとなり、結局 部屋が狭くなることをお客さまにも理解してもらうようにする。

収納の総床面積は、小規模プランでも最低12㎡は必要です。
延床面積に対して10%以上を目標に計画する。
しまうべき物にふさわしい収納スペースを、適切な場所に確保する。

特に二世帯同居の場合、親世帯/子世帯の収納スペースのバランスに注意が必要です。

屋外に物置を置くスペースを確保しておく。

建物を敷地いっぱいに建てるケースほど、事前に収納スペースを考慮しておかないと見苦しくなりがちです。
収納計画を立てておき外観配慮を充分に行う必要があります。

収納スペースの考え方

タンス

タンスを向かい合わせに置く場合、
中央部の奥行は800mm以上確保するのが望ましい。
➡したがって納戸の間口は、極力2275mmとるようにする。

《注意》
間口2000mmの納戸でタンスを向かい合わせに置く場合、タンスの奥行によっては、中央部に適切なあきがとれないことがあるので注意が必要。

間口2000㎜でも、タンスの奥行が浅い場合は、中央部に充分なあきがとれることがある。

間口が2000㎜の場合、タンスの奥行が600 だと中央部のあきが不足する。

間口2000mmの場合、タンスを両側に置くときは引き出しや扉の寸法を確認する。またタンスを持ち込む際の搬入路にも注意する。

《タンスの標準寸法》

※タンスの奥行は、洋ダンスで600、和ダンスや整理ダンスで450 となっているが、
最近では600 に統一しているケースも多い。どういうタンスを使うか確認する。

クローゼット(ハンガーパイプ)

クローゼットのパイプ収納する服の種類と量により・長さ・高さ・1段か2か等を決める。 

季節および男女により、ハンガーに掛けて吊るす服の量の目安は異なる。

◇男性収納幅

◇女性収納幅

布団収納

布団をしまう押入は、原則として奥行1137mmとする。

※ただし建具の種類によっては、入れる布団の寸法が特殊でない限り910が可能な場合もある。

◇910㎜幅の場合

奥行910で布団を入れる場合、建具は引違いにしない。
引違いの場合、建具内部から背面の壁までの有効寸法が足らず、布団を入れると開閉しづらい。

開き戸の場合、建具が室内側に寄るため、内部の有効寸法が若干広くなる。
よってシングルの布団であれば収納可能なケースもある。お客様に充分説明した上でなら採用するのも可とする。

収納+αの機能

《パターン①》

➡主寝室に隣接したクローゼットは、片側にタンスを収め反対側に洋服掛けを設けるとすっきりした収納になる。

➡主寝室が広く使えるよう、入口ドアを引戸や折戸にすることも検討する。

《パターン②》

➡搬入路が狭い場合、納戸の建具は、 極力引違戸を使う。
(納戸までタンスを搬入できないトラブルは頻繁に起こっている。)

➡各個室に布団収納を確保できない場合、廊下にまとめて収納スペースを設けるとよい。

場所ごとに考えるポイント

階段下収納

「思い出」「季節」「非常時」の定位置に!

天井高さが不均一で使い方に悩む反面、空間を無駄なく使えばかなりの収納量が 期待できる階段下収納 。
「使用頻度はそこまで高くなく、長期間保管するもの」を収納するのに適しています。

思い出

子どもの作品家族写真や賞状などは、どうしても捨てられず溜まっていってしまうもの。
そのような思い出の保管場所には階段下がおすすめです。
居住スペースを圧迫することなく 、たくさん収納できます。増えていくことを想定し広く保管場所を確保しましょう。

リビングからすぐの場所に階段収納があると、子どもが自分で思い出を見返したりすることも。

季節限定の大物

高さのある部分を活かせば、スノーボードやボディボードなど大きなものも収納できます。

もしもの時に必要なもの

サッと持ち出したい非常用袋は玄関付近の一等地に収納するのがベストですが、急ぎ持ち出す必要がないものをストックするのに向いています。

☑チェックポイント
□奥行の深すぎるアイテムは、出し入れしづらい
□引出収納は引き出すのに必要な空間も確保する
□大地震の際に飛散しないよう 、なるべく収納ケースやボックスを使用する。
□長期保存するものは、ふた付きケースで埃対策
□増えていくことを想定して保管場所を確保

押入れ収納

大容量だからこそ、上下・前後に無駄なく活用

リビング隣接の和室の押入は、容量・使い勝手共に大活躍の収納場所です。
基本を押さえて収納計画を行うことで家族構成や暮らし方に変化があっても柔軟に対応でき、 家が片付く強い味方に。

大きな空間である押入は上下・前後で使用頻度別に考えます

家族の成長に合わせて、その時期に合った収納を作りましょう

① 幼少期

子どもが小さいうちは、和室を子どもの場所にすると便利です。

② 自立期

自室を使うようになると子ども部屋の収納がパンパンに。
そんな時は「1 階にあった方がいいもの」を見極めて押入を活用しましょう。

☑チェックポイント
□下段のものはキャスター付アイテムを使う。手前のものをラクにどかせる仕組みが必須!
□リビングに置くイベントアイテムを置くと便利(リビング隣接の和室の場合)
□来客時の寝具もスタンバイ
□引違い戸は中央の使いづらい部分も意識する。

リビング収納

リビング で 「くつろぐ」「楽しむ」ことを想像しながら 、収納計画を立てる

家族が集まる場所ゆえに、共有のものを収納するとみんなが心地よく暮らす仕組みづくりが可能になります。

〇未来を見越した収納

子どもの成長と共にものが増えるので、将来のためにあけておく
コロナ禍で暮らしが一変したように、いつ、どのようにライフスタイルが変化するかはわかりません。

ライフスタイルが変われば増えるものもあります。増えてしまった時に「収納場所がない!」と悩まないよう、将来のためにスペースを確保しておくのも大切なことです。

〇家族が使うもの

例えばゲームで使う大きなものはテレビのあるリビングに置くのが便利 。
近くにきちんと場所を決めることで、だしっぱなしを予防します。
家のメンテナンスキットやガムテープ・電池も、お父さんや子どもが使うので、ここにあると便利です。

ティッシュのストックなど子どもの手の届く高さにあると 、お手伝いもしやすく、ラク家事につながります。

掃除機

掃除機、充電式掃除機を使用する場合はあらかじめ収納場所を決め、コンセントを配置しましょう。

☑チェックポイント
□一緒に使うものは一緒に収納
ex.掃除機を置くならフィルター・パーツを一緒に
□中が見えない収納ケースを使う場合は、家族の誰が見ても何がはいってるかわかるように。
またストック数が把握しづらいので注意。

デスクスペース収納

自分のものは自分の部屋に。という概念を持たない。「集中する」 ものを収納

キッチンの近くにデスクカウンターを設けることが多いです。
リビング側に 「 くつろぐ 」「 楽しむ」ものを収納したのに対し 、ここ は 「集中する」 ものを収納します。お母さんの近くだから子どもも安心 。

小学生の7割がリビングダイニングで学習しています。

今やリビング学習は「流行」ではなく「定着」

そしてリビング学習をする子どものうちの40%がダイニングテーブルを活用しています。しかし食事によって作業を中断せざるを得ないなどの不便も。親の近くに専用スペースを確保することで安心して集中でき、 床に放りがちなランドセル問題も解消!

〇使用頻度の低いもの

または不意に増えたものの保管場所にすると片付く仕組みがくずれにくくなります。

〇お父さんスペース

ビジネスバッグやタブレット、高級腕時計など子どもが手を触れずお父さんが手に取りやすい高さに。

〇子どもスペース

取り出しやすい高さのオープン棚は学用品を収納。

☑チェックポイント
□災害時の危険を回避するため、高い位置の収納は扉付きが安心。
□ピアニカや書道セットなど、普段は学校にあるものも収納場所を確保しておく。
□ペンや掃除アイテムなどは出しっぱなし収納に

キッチン収納

動かない探さない時間をかけないを実現させる収納

毎日行う食事作り。
「時短」や「節約」に収納が大きく関わる場所です。
収納を味方につければ、お母さんが楽しめる 、そして家族が協力しやすいキッチンに。

キッチンまわりの収納

3か所の収納を使用頻度別に使い分ける。

① キッチン本体

使用頻度の高い調理器具 ・ 雑貨 ・ 掃除道具

具体的には、

・菜箸
・フライパン
・鍋
・厚焼き卵器
・ラップ
・アルミホイル
・タッパー
・掃除アイテム

② サブキッチン

使用頻度の高い食器・食品・調理家電+ダイニングで使うもの

具体的には、

・常温野菜
・お菓子
・パン
・レトルト食品
・炊飯器
・オーブンレンジ
・トースター
・ホットプレート

③ パントリー

ストック品

キッチンと玄関に隣接したパントリーだから食品に限らず 、キッチン雑貨や玄関に収納している消耗品のストック場所としても活用できる。

パントリーはさらに棚の位置によって役割を分担

①玄関に近い
玄関に常備しているマスクや除菌スプレーのストックを置けば補充がラク!

②勝手口に近い
ゴミの分別保管コーナーにすると、サッと外に捨てに行ける。

③キッチンに近い
サッと補充できるようキッチンで使うもののストックを置く。
災害時の家族4 人、 3 日間分の備蓄もここに。

④通路に面した棚
③に入りきらないものや使用頻度の低い調理家電。
目に入りやすい場所なので趣味のフルーツ漬などを飾るのも◎。

洗面室の収納

洗濯、入浴、掃除、スキンケア狭い空間なのにその役割がとても多いのです 。
ひとつひとつの作業動線を考えて計画しましょう。

もっと収納があれば、と後悔する人がかなり多い洗面室。

STEP1 まずは洗面室で行う動作を考える

洗面室で行う動作と収納物

身支度
・歯みがき(歯ブラシ、洗口液、フロス、歯間ブラシ)
・コンタクトケア
・メイク用品
・洗顔(クレンジング、洗顔料、シェービング、スキンケア、洗顔ブラシ、洗顔ネット)
・ヘアケア(ヘアドライヤー、ヘアアイロン、くし、ヘアケア剤、髪飾り、白髪染め、カットはさみ)
・タオル

洗濯
・洗剤(洗濯洗剤、柔軟剤、漂白剤、シミ取り用、デリケート用、洗濯のり)
・洗濯用品(たらい、洗濯板、洗濯ネット、洗濯かご)
・干す(ハンガー、洗濯ピンチ、洗濯ばさみ)

入浴
・シャンプー
・ソープ類のストック
・入浴剤
・バスタオル
・バスマット
・ボディクリーム、
・入浴後に着るもの(下着、パジャマ)

掃除
・洗剤(お風呂用、ハイター、カビキラー、風呂釜用)
・バケツ
・ぞうきん
・ブラシ類
・スポンジ
・スキージ
・ゴム手袋

その他
・トラベルグッズ
・グリーン
・ポプリ
・来客用タオル
・試供品

これらはあくまで代表的なもの。 実際にはヘアケア剤もワックス、スプレー、オイルと種類が多く、家族ひとりひとり違うものを使うのでぐっと物量は増えます。
子どもの年齢が上がってもの が増える ことを想定した収納量を用意したいところです。

STEP2 動作にもとづいて収納ゾーンを決める

洗濯 + 掃除」

洗濯機付近が良い。
バケツやゴム手袋など洗濯と掃除は共用のものも多い

身支度 + 入浴

洗面台付近がよい。
+浴室扉に近い 場所がいいか検討
+使用頻度を検討

☑チェックポイント
□温度や湿度の変化に 左右されない 収納アイテムを選ぶ
□通気性 を考慮する
□使用頻度の低いものはコンパクトに収納できるものを 選ぶ

収納空間の換気

納戸やウォークインクローゼットには、できる限り窓を設けるようにする。

やむを得ず設けられない場合は、換気扇等を用いて積極的に換気をはかるのがよい。

収納空間の彩光・照明

直射日光が入る場合、ブラインドなどタンスの日焼け防止対策が必要となる。

照明器具は明るめのものを選ぶ。

天袋等がなければ、ダウンライトよりも、直付の長さのある器具 (直管の蛍光灯で40W程度、または40W×2程度)の方が隅にまで光が届いてよい場合がある。

収納に関する関連記事はコチラ⇩
注文住宅だから出来る!家事を楽にする収納術と3つの設計ポイント
【片付く仕組みを事例で学ぶ】名もなき家事を楽にする収納計画
タイトルとURLをコピーしました