住宅設計における満足度とは?

お客さまの満足度の向上

お客様には、より大きな満足を感じていただくことが必要です。

その為には「マズローの欲求説」を理解して頂くと参考になると思います。

【マズローの欲求説】

第5次 自己実現の欲求・・・・事業達成、社会貢献、夢の実現などを追求する高次の欲求

第4次 自我の欲求・・・・・・より上位の地位を求める、尊敬されたい欲求

第3次 社会的欲求・・・・・・仲間の欲求、よりよい人間関係・職場などを求める欲求

第2次 安全の欲求・・・・・・安定した職場、保険など生活の安全を求める欲求

第1次 生理的欲求・・・・・・食欲、睡眠欲などの生存にかかわる欲求

この説によると、人間はそれぞれに欲求を持っていますが、欲求には第1次の「生理的欲求」から始まって最高次の「自己実現」に至る5段階の階層があり、その時点での欲求に応じて人は行動するとされています。

また、高次の欲求ほどより人間的な欲求であり、

下位の欲求が満たされると人はより高次の欲求を満たしたくなるとされます。

住宅の場合は?

同様に住宅にも、欲求の段階が考えられます。

住宅の場合、第1次の欲求は雨風や外敵から身を守ることでしょう。

耐震性や耐久性など住宅の基本性能に対する欲求であり、レベルの違いはあるものの当然満たされてしかるべき基本クォリティと言えます。

言い換えれば地震に強く、永く住める家ということも大変重要ではあるものの、それだけでは高次の欲求は満たされないわけです。

お客様により大きな満足を感じていただくためには、より高次の欲求を満たしていかなければなりません。

住宅は住む方にとってステイタスシンボルであるとともに生活の基盤です。生活スタイルは人それぞれ異なるので、どう住みたいかはその方に聞くのがよいわけです。

充分なヒアリング、コミュニケーションが必要な所以です。

ヒアリングを行うにしてもただ「どんな部屋が欲しいか?」「部屋の広さは?」といった質問ではなく、「そこで、どんなことをしたいか?」ということを確認する必要があります。

さらに、それに家族構成などの客観的要素を加味し、プロの観点からそれぞれの空間を提案したいものです。

間取りに要望を反映する住宅の設計者として考える

前述した「お客様の言いなりになる」とはどんなことでしょうか?

それは「お客様が言われたことだけを、すべてプランに反映する」ことだ、と言ってよいでしょう。

「それがどうしてダメなの?」と思われるかも知れませんが、例えばお客様にヒアリングをしている時に、トイレの話が出なかったとします。

しかしトイレは当然あるべきものであり、尋ねるまでもなく間取りに反映されるべきものです。話に出ないからと言ってトイレは不要だと判断したり、いるのかどうかをお客様に尋ねたりするのはナンセンスです。

この場合に「要望がないのだからトイレを設けない」というのが「言いなりになった」ということです。

上はかなり極端な例ですが、実際にこれに近いことはけっこう行われています。

例えば、寝室で「婚礼タンスがあるので、置けるようにしてください」という要望がない場合、いくつかのタンスを平面図に記入してプレゼンテーションしているでしょうか。

実際に、収納場所やクローゼットはあっても、タンス置き場が確保されていない図をよく見受けます。

多くの方は婚礼タンスをお持ちで、建て替えた後も使い続けることが多いものです。

ならば例え要望がなくても、反映しておくことが必要なはずです。

(ヒアリング時に確認すればより確実でしょう。)にもかかわらずタンス置き場を設けないのは、お客様の要望を過剰に意識し、それだけに対応しようとするあまり「本来、生活に必要な当然の部分が抜け落ちてしまった」ということです。

バランスのよい住宅とそうでない住宅、望ましい住宅のイメージを表すと次のようになります。

A)バランスの良い設計

住宅の間取りとして、必要条件を満たした設計。

基本的には誰が住んでも住みやすい住宅。

B)アンバランスな設計

要望だけを強く意識してつくられたプランニング

特定の施主の要望を強く反映した設計。一見、施主から与えられた充分条件を満たしているかに見える。

本来あるべき部分であるが対応できていないプランニング

施主の要望としては具体的に出てこないため、反映されていない

要望に過剰に対応しているプランニング

特定の施主だけが持つ特殊な要望を反映させた。

C)望ましい設計

施主の要望により必要と思われるため付加した部分

本来必要ではあるが、施主への確認をもとに省いた部分

望ましい設計をするためには、まず「住宅において本来何が必要な項目なのか?」を知らなければなりません。

これらのことは、建物部分のみでなく、道路から見える部分を含めた敷地内の全要素、ひいては日照など隣家・街並との関係についてまで言えることです。プロとしては、設計の影響範囲全体にわたってバランスのよいプランニングをすることが求められていると言えるでしょう。

住宅設計をはじめる前に

普通、住宅計画というと、平面プランが頭に思い浮かびがちになります。

そのため家を建てようと思っている方も、まず「間取りはどうなるのだろうか?」ということに大きな関心を寄せてしまいます。

また、それにともない「費用はどれくらいになるのだろう?」ということに大きな不安を持たれるものです。

その気持ちが伝わってくるせいか、住宅を提供する側としても、つい平面プランや建設費用を中心に考えてしまう傾向があるように思います。

お客様によりよい住宅を提供するためには、改めて住宅の基準となるものを確認し合い互いに共有することが必要なのではないでしょうか。

お客様の住まいを計画するにあたり、基本的には

(1)不便を感じさせないように、必要機能を盛り込む(不満の解消)

(2)住まい方に応じ、付加価値を盛り込む(満足度の向上)

この2点を常に考える事が重要です。

住宅計画の手法

では初めに、住宅を計画するときどんな要素を考慮すべきかを考えてみましょう。

敷地環境、建築法規、家族構成、予算、施主要望など要素は多々ありますが、この中で何を優先して計画すればよいでしょうか。

ケースバイケースかもしれません。そこでまず、住宅計画の前提となるキーワードを考えてみることにします。

1家は敷地の中に建てる。

敷地、周辺環境、法規、近隣状況を充分把握し、敷地の利用計画を行いながら、建物の計画を行う。

2部屋には個別の機能がある。

それぞれの部屋を単位空間として捉え、最低限必要な空間を確保する。

それにより各機能がうまくマッチするバランスのよいプランニングを心がける。

3家には永く住み続ける。

家族構成は変化する。その変化に合わせて住まい方も変化しないといけない。

また時代の変化にも対応していけるフレキシブルさも必要。

4予算合わせにとらわれない。

住まい手が計画の提案を受けた場合、本当に必要だと思いその価値を評価すれば予算は増えるもの。価値ある提案も必要である。

お客様は生活においてのプロ(誰もが自分の生活スタイルを持っているという意味)です。我々は「生活のプロ」としてのお客様の意見はよく聞かないといけません。但し、「住宅設計のプロ」としての住宅営業・設計には適切な助言をしなければなりません。

お客様の言いなりで終始せず、プロとしての「主張」が求められます。それが結果的にお客さまの満足度につながります。

まして今やお客様のデザインに対する意識も高まり、多くの知識を持ってる方も増えています。

機能的な面は当然のこととして、デザイン面からのプランニングを行う必要もますます高まっており、プロとしての技術はさらに必要とされるようとなっています。

その為、住宅を扱う側の人間としても常に最新の情報をアップデートすることが必要です。

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