住宅の構造ってなんで大切?基本を学ぼう!

住宅の構造ってなんで大切?そもそも建物の構造の安定とは何のためにある?

構造の安定を図るということは、建物の倒壊を防ぐことによって、建物の中の人や周囲にいる人の命を守るということです。

何を基準にしている?

構造の安定を図る場合の典拠となるのは建築基準法です。

建築基準法は、最低限守られるべき基準で、これまでに地震などの災害で大きな被害を受ける度に、見直され、研究が進められ、より安全な建物が建てられるように改訂されてきています。

今後も、新たな災害により内容の見直しが図られることもあることでしょうが、

いつの時代であっても、建築基準法に示された構造に関するさまざまな条件をクリアした設計を行い、その設計内容を達成できるように施工することが、確認ポイントとなります。

構造的に配慮されてる家とは?

構造的に配慮されている家とは、「構造計算」を行い、次のようなポイントを確認して施工した家である。

1. 建物の各部位にかかる曲げや圧縮力、引張力・せん断力に対し、各部材が充分に耐える。

2. 住宅の使用上の観点から、支障となる様な変形・振動を生じさせない。

3. 部材の接合部が充分な強度をもつ。

4. 地盤の強さと建物の重さに応じた適切な基礎設計がなされ、充分な強度を持つ。

簡単に言うと

しっかり作った部品を

しっかりとつなぎ合わせ

しっかりとした土台を介して

しっかりとした面に載せる

ことが大切です!

建物に加わる力

構造計算において考慮する力

建物にはあらゆる方向から力が加わるが、構造計算に用いる荷重としては、建築基準法ではそれぞれの力の性質や原因によって、5つの力として捉え、定義している。(建築基準法施行令83条)

雪、風、地震は地域差があるため、地域により構造計算に用いる係数が異なる。
積雪荷重を荷重として扱う多雪区域は特定行政庁が定める。(つまり地域によって必要とされる強度が異なる。)

※ 特定行政庁(建築基準法・第 2 条九の三号三五号)とは建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。
ただし、一部の特別区等の区域においては、その扱いが異なることがある。

鉛直荷重

固定荷重(長期)

固定荷重とは、建物の自重(屋根、天井、壁、床などを合わせた建物自体の重量)のことであり別名Dead Load(死荷重)=動かない荷重 とも表現される。

建築基準法(施行令第84 条)では、固定加重は当該建築物の実況に応じて計算【A】するか、施行令第84 条の表の数値【B】に面積を乗じて計算することができる。

積載荷重 (長期)

人、家具、調度などの重さ

別名Live Load(活荷重)=動く荷重、とも表現される。

構造計算に用いる一般的な値として、建築基準法(施行令第85条)では、積載荷重は当該建築物の実況に揚げる室の床の積載荷重とあり、住宅の居室の床は1,800N/㎡(約180kg/㎡)、大梁・柱・基礎については1,300N/㎡(約130kg/㎡)を、地震力を計算する場合は600N/㎡(約60kg/㎡)を用いて、それに床面積を乗じて計算することができる。

これらの値は、床を支える各部に対する「設計荷重」であり、実際には全ての部材が組み合わさって「床の強度」となって現れることになる。

グランドピアノの重量は300~450kg
3本の足に分散して荷重がかかるとして、一箇所あたり最大150kg以上を満足すればよい。

さらに、長期間の荷重載荷によりたわみが進行しないことも別の実験で確認されている。

つまり、特殊な補強なしでも、グランドピアノや本棚等の重量物を部屋のどこにでも置くことができるのである。

水平荷重

風圧力(短期) Wind Load

地震力(短期)

実際の地震力は「水平方向」と「鉛直方向」に働くが、建物の耐震性能を評価する場合は「水平方向」の力のみを考慮する。

※地震力については実はまだ分かっていない点も多い。

建築基準法で定められている地震力は、1914年に建築構造学者・佐野利器(さの・としかた)が『家屋耐震構造論』で提唱した水平震度の考えが継承されていて、どのような地震の何ガル・何カインに堪えるようにしなければならないといった記述はない。

つまり経験則に基づく考え方の域を出ていないとも言える。

しかし、地震被害を受けるたびに研究成果を取り入れて補強してきているので、1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)の被害を分析した結果、地震被害を食い止める手法として一定の評価が得られていると考えてよい。

速度と揺れの大きさ

図のバスを地盤面、人を建物と考えてみる。

急発進、急ブレーキのとき、身体は大きく、速く揺すられるが、穏やかな発進、停止のときは、あまり身体は揺れない。

これは、加速度の大小(どの程度急激に発進・停止するか)と速度が比例するからである。

地震というのは、この例にたとえると、急発進と急ブレーキが連続的に素早く行われている状態と考えればよい。

この行ったり来たりの往復の連続が、建物にとってのダメージが大きく、地震の恐いところとも言えます。

水平荷重が建物に及ぼす影響

風圧力、地震力などのように、建物の水平方向から加わる力は、床面などの水平構面に伝わり、建物に偏心がある場合は、建物をねじれさせようとする。

建物のねじれの大きさは、重心と剛心の位置関係に関係する。

重心=建物の重量の中心
剛心=水平力に抵抗する力の中心

力が重心に作用して、建築物は水平方向に変形し、剛心周りに回転する。

これを振り子にたとえると、剛心が支点、重心が重り、重心と剛心との距離は、振り子の吊り糸の長さである。

この距離が大きい(=偏心が大きい)建築物は、部分的に過大な変形を強いられる部材が生じるので、危険度が高い。

建築基準法における構造計算では、上記を偏心率という指標で捉え、偏心率が0.15を超える場合は、必要強度の割増等を実施する。

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