ゾーニングって何?!提案間取りを見る前に、住宅設計の基本ゾーニングの考え方を理解しよう!

「間取りの提案受けているけど、この間取りで本当に暮らしやすいかわからない」
「各社で間取りが違うように感じるのだけど、間取りをどうやって見ればいいの?」
「ゾーニングって聞くけど、そもそもそれってなに?」

こんなお悩みや不安はありませんか?

住宅設計をする上では基本中の基本として扱うのが「ゾーニング」という考え方です。間取りの提案を受けると、真っ先に部屋の数や広さに目が行きがちですが、その前にまずは「ゾーニング」があなたのライフスタイルに合っているか?を考えなければいけません。
また、この「ゾーニング」というものは、設計士でなくても基本を押さえれば誰でも作ることが出来ます。間取りの提案を受ける際には自分たちの暮らしにあった「ゾーニング」の考え方を身に付けましょう。

ここではゾーニングの基本的な考え方を理解して間取りの提案を受けた際にお客様自身でその間取りの良し悪しを判断できるよう、わかりやすく解説します。

ゾーニングとは?

まずゾーニングとは、

都市計画や建築計画において、一つの地域全体または建築空間を機能、用途、法的規制などを指標として幾つかの小部分に分ける作業または過程。

~彰国社、建築大辞典第2 版より~

特に住宅計画におけるゾーニングは、必要な空間と、それぞれのおおよその所要面積を考えながら、諸空間の配置を行う作業のことになります。

ゾーンのカテゴリー

ゾーニングにおいて、次の3つのカテゴリーにそれぞれのゾーンを当てはめておくと、レイアウトを行いやすいです。

補足:計画の規模が大きい場合、大規模な施設や都市計画などにおいては、セミプライベートスペース(Semi-private Space)を設定することが通例であるが、住宅計画ではカテゴリーを増やしすぎなると煩雑になりがちなので、上記の3カテゴリーで捉えておけばよい。

動線と動線計画

動線とは、

建築空間における人、物などの運動の軌跡、つまり運動量、方向や時間の変化などを示した線。
彰国社、建築大辞典第2 版より

動線計画とは、

建築や都市の設計計画において、人、車などの動きを分析、検討、操作することによって最適の動線を得ようとする計画
設計の基本作業の一つで、一般には動線の長さを短縮し、異質の動線を交錯させないように計画される。
彰国社、建築大辞典第2 版より

住宅計画においては、ゾーニング作業の中で、各空間のつながり(後述する「ゾーンリンク」)を作成する作業となる。住宅計画における動線計画のポイントは次のような点である。

住宅の動線計画のポイント

・ 家事の動線は、合理的に、コンパクトに。
・ 異種の動線をなるべく交わらせない。

→パブリック動線とプライベート動線が交わって入り乱れる。
→プライベート動線上に、パブリック空間を配置する。

住宅は建築物としては規模が小さいので、理想的な動線計画は困難で、異種動線の交わりが避けられない場合や、動線上に異種空間を置かざるをえない場合もある

あるいはリビングアクセスの手法のように、あえてすべての動線を一点に集中させるのが適切な場合もある。いずれにしても、お客様の要望から、適不適を吟味し、よりよい動線計画を提案するように努めましょう

【異種動線が交わる悪い例】

パブリックスペース間の移動と、プライベートスペース間の移動の動線が交差している。

バブルダイアグラム

ゾーニングと動線の検討を、泡(バブル)のような形を描きながら行う手法がある

図のような表現はバブルダイアグラムと呼ばれ、建築に限らず用いられる。

建築の場合は、各空間の配置と規模を、泡(バブル)の配置と規模に置き換えて描きながら、全体像を把握、検討する手法である。

バブルダイアグラムからプランへ

バブルダイアグラムでおおよその動線、規模計画が決まったら、それを平面計画に落とし込んで、プランづくりを進めることになる。

しかし、バブルダイアグラムという模式図から、直ちにプランを発生できるわけではない

バブルダイアグラムをプランへと導くためには、大前提として、設計者自身が、一般的な人間のアクティビティ(行動や行為)、それに必要な空間規模や空間の意味に対して、充分な知識や理解、経験を持っておく必要があります。

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次に、ゾーニングや動線計画という概念的な操作(=泡の形や矢印のように直接的に空間の形を示してはいない模式図を用いた操作)を、お客様の要望に基づきながら、具体的な空間に結びつけていくための自分なりの方法・手法を身につけておくことが必要です。

ここで気をつけなければならないのは、ゾーニングは敷地や面積などの設計条件に影響を受けるので、ゾーニングができたからといってプランができるということではない。そして、各物件における適切なゾーニングのパターンは限られており、正しいことが当然の前提である。

ゾーニングに誤りがあれば、各室の使い勝手やしつらえがよくても、全体として良い家にはならない。間違ったゾーニングは論外であるということ。

ところが、規模が小さい割に複雑な住宅計画においては、先述の手法は意外と難しい場合もある。

そこで実際の作業プロセスにおいては、まずゾーニング図からプランを起こしていくよりは、
① 大まかにプランを起こしてから、
② それをゾーニング手法、
③ 動線計画手法を用いて分析し、
④ 不都合な点を発見し、
⑤ それをプランにフィードバックさせるような進め方でもよい
。その場合のフローを下に示す。

ハニカムゾーニングとゾーンリンク手法

ハニカムゾーニングとは、小分けした空間部位を、ハニカム(honeycomb=ハチの巣→六角形が並んだもの)で表現して、ゾーニングを行う手法である。

ハニカムを使う大きなメリット

・ ハニカムは、平面を埋め尽くせる

・ 隣接するハニカム同士が接する辺の数が多いので、空間相互の関係を示しやすい。(概念的にパターンを示すのに都合がよい。)

・ ハニカムのひとつひとつの六角形は同サイズなので、空間規模や寸法を考慮しない表現方法であるため、図中の矢印で示された空間相互の関係や動線(ゾーンリンク、後述)を捉えやすい。(空間規模が特に大きい場合は、単一機能であっても、複数のハニカムを用いればよい。)

・ 空間規模や寸法を考えなくてよいので、各階のハニカム形状が異なっていても良い。(空間規模も想定する通常のゾーニングでは、各階の形状をおおよそ揃える必要がある。)

このようにハニカムを使用してゾーニングを行い、動線計画や各空間の隣接関係やつながりを検討する手法をゾーンリンク(zone linkage)手法と呼び、ハニカム図の中に、つながりを示す矢印を記入すると分かりやすい。

重要ポイント

各ライフスタイルの基本的なパターンのゾーニングを作っておけば、物件毎に新たにゾーニングを行わなくても、その基本的なパターンの転用・応用で、複数の物件に対応できる。

特にゾーンリンクのできの善し悪しが住みやすさを大きく左右する高齢者住宅は、たとえば右図のような基本的なパターンから検討を開始すればよい。

例:高齢者住宅

介護者寝室が追加されても、根本的な部分はほぼ同じであることが分かる。

あるいは、ゾーニングや動線が一見複雑に見える二世帯住宅も、ハニカムゾーニングとゾーンリンクを行えば、矛盾点や不都合な点を発見しやすくなる。

例:玄関共有タイプの二世帯住宅

実際には、親世帯、子世帯それぞれの空間が、上下に積み重なる形になるが、ゾーニング検討の段階では、このように平面的に表現して整理できる。

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次の段階で、たとえば寝室を上下で重ねるなどの、具体的な配慮を行えばよい。

ゾーニングの有効性 ・楽しさ

ゾーニング(特にハニカムゾーニングとゾーンリンク)は、アイディアを非常に抽象化させて描く手法です。

どのように有効かについては本文で述べているので、ここでは、ゾーニングの有効性にまつわる、楽しい考え方、ものの見方を紹介しましょう。

《タイがヒラメに、ヒラメがマンボウに》

図の下地(グリッド)をさまざまに変形させると、基本的な形の魚(左上)が、いろいろな種類の魚に変わります。

(図はダーシー・トンプソンによる)

魚をまっすぐなグリッドを描いたゴムシートの上に描いて、ゴムシートを上手に伸ばしたり縮めたりしてやると、別種の魚ができあがります。どの魚の基本形状はほぼ同じだから、このような芸当ができるわけです。これは住宅の場合でも同じことで、基本的な空間の構成(すなわちゾーニング)ができていれば、それを敷地などの条件(ゴムシートに書いた下地グリッドに相当)に合わせて変形させて、さまざまな形状のプランをつくれます。

《昔から脈々と》

下図は、古代ローマ時代の建物の平面形です。平面図を見ただけでは気づきにくいかもしれませんが、下に示すように空間の並びを単純化してみると、中央に引いた補助線(点線)の上部分も下部分もとも、空間構成は同じ、つまり、四角形の部屋が一列にならんだだけであることが分かります。

もちろん空間の面積が異なるから、使い方は違ってくる可能性もあるでしょう。しかし、ゾーニングや空間構成という視点から見れば、上半分と下半分は同じである、と言えるのです。     

《フランク・ロイド・ライトの一石三鳥》

下の3つの住宅プランは、1938~1941年の4年間にフランク・ロイド・ライトが設計したものです。それぞれの形態が異なるため、一見、全く別のアイディアのように見えます。それでは、ハニカムゾーニングとゾーンリンクで分析してみてください。

さて、分析結果はどうなったでしょう?

3つとも、全く同じゾーニングとゾーンリンクをもっていることが分かります

平面形の基本モチーフを、四角形、円形、三角形として、このゾーニングに適用した結果、プランのバリエーションができあがったのです。この例のようにゾーニングやゾーンリンクができあがっていれば、それに基づきながら、予算、敷地、建築規模などの条件を落とし込んで、お客様に満足していただける家をつくれるのです。

※実際のところ、円形や三角形をモチーフとした平面形は特殊で、このような形の住宅をつくることは稀でしょうし、施工の手間や家具調度や設備機器の納め方などからみても、好ましくはありません。プレファブ住宅では、原則的に不可能な形態です。ここでは分かりやすい例として、提示しただけです。

まとめ

自分たちが暮らしやすい間取りにするためにはその暮らしに見合ったゾーニングをマスターし、それを手助けできる間取りを設計出来る設計士を探すことが大切です。
要するに、「暮らしやすい間取り」=「ゾーニング+設計能力」です。
プランを見る前にゾーニングの基本を理解すれば、暮らしやすい間取りを検討する事も出来、それに見合った設計士を選定できる可能性もグンと上がります

最後に、ご紹介した内容をおさらいしてきましょう。

☑人などの動きを分析、検討することによって最適の動線を検討
☑自分のライフスタイルを考え、それに伴う動きを考える
☑人の交わりやすい場所を確認

ご紹介した内容を考えるれば、初心者の方でも間取りやプランの見え方が変わります。

事前の知識を入れたら早速設計士にプランを作成してもらいましょう。

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