二世帯住宅のメリットデメリットと、間取り作成をする為の方法

二世帯住宅のための住宅

現在、核家族が大半を占めているが、二世帯で住むことは、実は結構楽しいことです。
ただ、もちろん二世帯で住むことには、メリットもデメリットもあります。

デメリットを最小限に抑え、メリットが最大限に現れる二世帯住宅とは何なのか?コチラではそれらをキチンと理解することで、後悔のない二世帯住宅の間取りを考えましょう!

そもそも、二世帯家族とは?

二世帯住宅の定義

子育てファミリーやDINKS は、単一の家族のみが起居するための住宅であり、
それとは別で複数の家族(世帯)が起居する住宅が多世帯住宅になります。

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DINKS(共働きで子供なし)のための住宅設計

多世帯とは言っても、現実的には二世帯が一般的ですが、三世帯以上の多世帯といった例もあります。

二世帯住宅は多世帯住宅の基本でもあるので、(現実的には少ないですが)三世帯以上の多世帯住宅も、二世帯住宅の考え方の延長・展開で考えることが出来ます。

世帯数が増すと設計難易度は高くなりますが、ヒアリング時にお客様から明確な回答がある場合も多いので、充分なコミュニケーションをとることが重要です。

二世帯家族の現状

2015 年発表の『第7回・全国世帯動態調査』(国立社会保障・人口問題研究所による。調査は2014 年)から二世帯住宅に関わるデータやグラフをピックアップしてみます。

どちらの親と同居しているか?

■妻の親との同居率は4.8%
■夫の親との同居率は16.3%

つまり約1:4の割合で、夫の親との同居が多い。

夫の親との同居率はわずかに低下しつつありますが、配偶者のいる人の5人に1人程度が、親と一緒に生活しているということになります。

親子が同居に至る経緯

同居には、
・継続同居(親元から離家することなく継続して同居)の場合と、
・再同居(子がいったん親元から離家(別居)してから再び同居)がある。

再同居は、親の年齢が60~64歳の17.1%から、親の年齢とともに増大し、
65~69歳層では再同居が継続同居よりも多くなる
85歳以上では32.8%が再同居となっています。

「親の後期高齢期以降(75 歳以降)に再同居割合が高くなるのは、子世代の親世代への健康上の理由などによる扶養・介護のための同居が中心と思われる」と、同調査では推測しています。

特に再同居の場合、それぞれの世帯のライフスタイルの相違が大きいため、後述するような配慮が求められます。

これらのデータから見る限りでは、二世代で居住する(居住しようとする)母集団は、ある程度大きいことが分かり、その人々が二世帯住宅の購買層となっているのが現実です。

また、親世帯は高齢化しており、住宅としても高齢化対応が必須であることも読み取ることが出来ます。

二世帯にはどんな生活像があるか

居住パターン

一口に二世帯と言っても、世帯の組合せには下表のようなパターンがある。

一般的には、親世帯と子世帯から構成されるパターンであり、ここでは、そのパターン、特に子世帯が「子育てファミリー」である場合を主体に説明する。

【息子夫婦同居】と【娘夫婦同居】は大きく異なる点が重要なポイント

最も重要なのは、子世帯が、息子夫婦の世帯、娘夫婦の世帯のどちらであるかという点です。

昔から嫁姑の確執などと言われるように、親世帯、子世帯の主婦同士の血がつながっていない場合には、問題が起きやすく、そのための工夫が要求されます。

打合せにおいても、息子夫婦同居の場合お嫁さんの立場からは、意見や要望をはっきりと言いにくい場合もあるので、それをくみ取る努力も必要です。ちなみにこれは、住宅営業上でも特に重要なポイントになります。
これが出来ない営業マンは意外と多いです。。。

ポイント
  • 娘と話をする頻度は、結婚後別居の場合も週1~2回以上の頻度で7割弱が話をしている。
    一方で息子は結婚後別居で週1~2 回以上の頻度で話をするのは4割程度である。
  • 結婚している娘に対して、同居の場合も別居の場合も悩み事の相談相手になっている母が3割弱おり、結婚後も母娘の緊密な関係がうかがえる。

つまり、娘夫婦世帯との同居においては、実の母娘の間は、うまく行きやすいということであり、空間構成の柔軟性や自由度も高まります。
しかし、一方で独立した社会人である娘婿への配慮が重要となってくるので注意が必要です。

同居のポイント

息子夫婦同居と娘夫婦同居のポイント

一般的に嫁姑問題として取り上げられる様な点に注意しましょう。

現状すでに同居されている場合は、新築計画に対する要求も見えやすいし、最低限現状で避けたい点は明確になりやすいです。
(但し、両世帯が一緒に集まって話をしている時に、相手の目前で明言されるとは限らないので、場合によっては別々に打合せする機会を持った方が良い場合も多い。こういった配慮が二世帯住宅の計画に対するコンサルティングの1つになります。)

対して、現状は別居である場合は極めて要注意です。

短絡的に「嫁、姑も仲が良さそうなので問題はないでしょう」という営業の声をよく耳にしますが、それは至って当然のことです。別居時にも仲が悪いなら、間違っても同居などすべきでないのです。(親の高齢化にともなう体調の心配等の理由で、同居せざるを得ない場合を除く。)

少なくとも1つ屋根の下に住もうとしているのだから、仲良くて当然だと考えるべきです。

そういった状況下で、いかに双方の要望をまとめるか、また二世帯で住まうために必要な要素を盛り込むかがプロとしての腕にかかっています。

担当営業がこれらのコンサルをうまくできないようであれば、早い段階で担当者を変えてもらいましょう。
二世帯住宅をうまくまとめるには担当者ある程度力量が必要です。

そして、二世帯住宅として住まうあたり、最も注意すべきは血縁関係です。

· 若主人の親との同居(息子夫婦同居)の場合…「若奥様」を意識
· 若奥様の親との同居(娘夫婦同居)の場合……「若主人」を意識

一口に二世帯住宅とは言っても、「息子夫婦同居」と「娘夫婦同居」は後述するように、かなり違うことに配慮が必要です。

・ 息子夫婦同居は、二世帯で居住するスタイルの約6割弱を占める。
(娘夫婦同居の約1.6 倍)

一般的に考えた場合、若主人は日中仕事に出ています。

父、母、若奥様も仕事等で家に居ないケースも考えられるが子供が幼少の頃や、日常的にも夕方は嫁姑が在宅していることが想定されます。

昔ながらのことを言えば、長男の家に嫁ぐ女性は、姑から、その家のことを厳しく伝授されることだったのでしょうが、現代では困難なことが多いです。
そして味付けの違いや洗濯の仕方など、家事において嫁姑の一本化は困難。双方が理解できれば問題なしですが、なかなかそうはいかないのも事実です。

キッチンの分離

親世帯のDK・子供世帯のDKを設置。

この時に、子供世帯キッチンをコンパクトに取るのは注意が必要。子供の成長期に合わせ、まとめた量の炊事の場となる為、一般的な機能を持たせましょう。

親世帯は多少コンパクトでも良いですがあまりに簡素にしないこと。
せっかく同居しているのですから、休日には全員で食事ができるようにどちらかの世帯側で充実したダイニングがあるとコミュニケーションも取りやすい。

洗濯の分離

それぞれの世帯で使う洗濯機、干し場があると良い。
干し場までの動線確保も必要。

・ 娘夫婦同居は二世帯の同居スタイルとしては少数派だが、増加の傾向ではある。

・ 一般的に血縁関係にない若主人は日中仕事で家に居ないことが想定される。若奥様からすれば、常に「里帰り」した気分で気兼ねなく生活できるだろうし、共働きであっても親に留守中の頼みごとをしやすい環境にある。

・ このケースの場合、親世帯としては同居してくれる若主人に対し、感謝をするとともに、尊重しようと思われることが多い。大変に気を使い立てようとする。一方、若主人からすれば、「入り婿」イメージを嫌うことも少なくない。また、帰宅してから、親に気兼ねなく、くつろぎたいと考えるものである。

玄関の分離

二世帯住宅で、予算・敷地・法的条件等で面積を削る場合まず、玄関を共有にしたいところです。

ですがここは「2つの表札」を出すべく、2つの玄関とするのがベターです。

リビングの分離

若主人の来客時に親世帯に気兼ねなく通せる様に子世帯専用のリビング(もしくは応接室)を用意

来客が少なければ、若主人のくつろぎの場として書斎に置き換えるなど、スペースによって考えても良い。(但し、家族のコミュニケーションも意識し、あまり孤立した部屋のとり方は避ける。)

キッチンの共有化

2人の主婦が実の親子ということで共有することも考えられる。

但し若主人の帰宅時間が遅いなど生活リズムが親世帯と異なる場合、
共用スペースで食べることに抵抗があるかもしれないため、配慮が必要です。

住居タイプ

二世帯住宅の各世帯の住居の配置には、下表のタイプがある。

敷地の広さや住宅の規模により、可能なタイプと不可能なタイプがあります。
特に別棟型や分離型は、敷地の広さや延床面積や予算の余裕が要求されます。

分離型

分離型は家族一人当たり10 坪程度の床面積がとれるなら充分計画可能です。

部分共有型

部分共有型は、別棟型や分離型が不可能で、共有部分を設けざるを得ない、どちらかというとネガティブな選択肢と考えておくのが良いです。なぜなら将来的に不満足感が生まれやすいからです。

したがってお客様とのコミュニケーションを通して、希望する共有度を的確に捉えながら、共有空間を設定する必要があります。

制約条件(予算・敷地・法規等)によって充分な住まい方の計画ができない場合は、住み始めてからの問題を説明し、場合によっては二世帯住宅を諦めてもらうこともあり得えます。

中途半端な二世帯住宅は、より多くのトラブルの原因になる可能性を持っていると認識しておくことが大切です。

別棟型

別棟型はどちらかが空き家になった際に、賃貸や売却が可能であり、資産活用がしやすい一方で、二世帯にもかかわらず交流が全く無いままでもそれぞれの暮らしが完結してしまうため、家の距離がそのまま家族の距離に繋がってしまうかもしれない。

料理のおすそ分けなど少し踏み込んだ生活を意識することで世帯間の交流が深まります。

予算や規模だけでなく、物質的豊かさ、時間的余裕の増大、価値観の多様化によって、お客様のライフスタイルはさまざまであり、それによっても、適したタイプが変わってくる場合があるので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。

住空間の分割方法

分離型、部分共有型の場合、各世帯の住空間の分割方法(空間の割り当てパターン)には、下表のタイプがあります。

以上の事を理解したうえで、実際に間取り・見積を作成してもらい、ハウスメーカーごとで比較してみましょう!

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