わかりやすい!住宅における遮熱の基本

遮熱の基本

遮熱 とは

遮熱性能とは、室内を快適に保つため、窓からの太陽光の入射をコントロールする性能のことである。

夏に、開口部からの太陽光の入射で室内が暖まると、断熱化された住宅では熱がこもり、室内が暑くなるので、南側の窓を主体に、太陽光を遮る対策が必要となる。

一方、冬は日差しによって室内が暖まるので、積極的に太陽光を取り込むのがよい。

つまり、室内環境としてみると、太陽光の入射がもたらす熱は、夏期には不利に、冬期には有利に働くので、日射の侵入をコントロールできるようにしておくことは大切である。

1992年の新省エネ基準で建てられた住宅モデルで夏と冬の熱の出入りを比較した結果、夏に開口部からの熱の出入りの割合がとても大きいことが示されている。

○ 夏の冷房時
外から入る熱の 71% が開口部から。
○ 冬の暖房時
外へ逃げ出す熱の 48% が開口部から。

夏の開口部の遮熱性能をあげると、快適な室内の温熱環境づくりに効果がある。

遮熱対策

建物全体の断熱と同時に、遮熱対策を施すことにより、室内の快適性と冷房機器の効率が高まる。

開口部(窓等)の遮熱対策としては、下記のような方法がある。

  • ○ 南側は建物にひさしを取り付けたり、充分な軒の出をとる。
    ○ 窓に日よけに役立つ付属部材(カーテン、内付けブラインド、外付けブラインドシャッター、ルーバー、オーニング、すだれ等)を設置する。建物外部に日よけに役立つよしず、植木等を設置する。
    ○ 窓ガラスに「遮熱複層ガラス」など遮熱性のあるガラスを使用。あるいは遮熱フィルムを貼る。

庇やオーニングなどによる遮熱対策

開口部の遮熱は、夏に窓から入る日射熱をできるだけ建物の外部で遮断するのが効果的であり、外付けブラインドシャッターやオーニングは効果的である。

芝生の利用
芝生も遮熱に役立ちます。

ベランダや物干し場など、土間コンクリートを打った部分は、蓄熱するうえ、照り返しが屋内に侵入して、室内温度をあげてしまいます。

そこで室内に照り返しが入る屋外部分に芝生を植えると、地面での蓄熱が小さくなり、照り返しの侵入も減少するので、室内温度の上昇が緩和されます。

植栽による遮熱のアイディア

太陽光を入れる/入れないは、夏と冬で異なる。

したがって、季節によって太陽光の入射量を可変できる遮熱装置があればよい。季節により形態が変化する樹木は適した遮熱装置となる。

  • ○ 夏季に強い日射しを受ける東向き、西向きの窓辺には落葉樹を植える。
  • 南向きの窓の周囲には、落葉樹を植える。藤棚等を作る方法もある。
  • 北面は常緑樹を植えて、冬季の防風と目隠し等に役立てる。
  • 屋上、ベランダに草や木を植えて、緑化する。屋上緑化の土壌は冬に断熱の役目も果たす。

※屋上緑化はヒートアイランドの抑制にも効果があるが、屋根の重量増加、防水、メンテナンスなど、クリアすべき課題がある。

【太陽高度】
太陽光の遮断を検討するとき、庇の出やオーニングがどの程度の必要かを算定する必要があるが、その算定の指標となるのが、太陽高度=観測者から見た太陽の位置の地平線に対する角度である。

また、1 日の高度変化の中で最高角度のことを南中高度という。
日本の場合、子午線(東経135 度、兵庫県の明石市)が標準時なので、南中時刻は、たとえば東京や名古屋など子午線より東にある位置では正午より早く、広島、福岡など子午線より西にある位置では正午より遅くなる。

また、南中高度は観測地の緯度によって異なり、冬至のとき、鹿児島で約35 度、札幌で約24 度、夏至のとき、鹿児島で約82 度、札幌で約70 度になる。

窓の断熱・遮熱性能

窓の断熱・遮熱性能は、ガラスの種類と、サッシの種類によって決まる。

ガラスは熱貫流率の低いもの、サッシは断熱タイプのサッシを選択すれば、冬は冷気の侵入や結露を防ぎ、暖房エネルギーの抑制にもつながる。

(コスト上の制約から、ガラスのみ性能を上げてサッシを通常のものとする場合もあるだろう。この場合もある程度の効果があるが、サ ッシが結露する恐れがある。)

ガラスの断熱性

ガラスとサッシの組合せ

高遮熱断熱トリプルガラス(クリプトンガス入り)は、暖冷房コストを低減できる高機能ガラス。室外側と室内側にLow-Eガラス、中間部にフロートガラスを配置し、空気層2層を設けたガラス構成。 2枚のLow-Eガラスと2層の空気層が高い断熱性能を発揮。

さらに各空気層には空気に比べて熱伝導率が低いクリプトンガスを封入することで高断熱化を実現している。

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