【温熱環境に関する基準】ハウスメーカーが言うU値、C値、UA値とは何か?

温熱環境とは?をまとめてます!
【設計初心者必見】住宅における温熱の基本

温熱環境に関する基準

省エネルギー基準(使用用途が住宅の場合、 300 ㎡以上の建物が対象)

断熱する事の大きな目的に『省エネルギー』がある。

省エネルギー基準とは、
『エネルギーの使用の合理化に関する法律』
(経済産業省・国土交通省の所管、通称・省エネ法)に定められている基準
であり、下記のように基準が見直されながら現在に至っている。

ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)

2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、
2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す。

さらに、2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化することとしています。(2018年7月 エネルギー基本計画より抜粋)

経済産業省では政府目標の達成に向け「ZEHロードマップ」を関係省庁等と共に策定(2015年12月)し、当該ロードマップに基づき普及に向けた取り組みを行っています。
その中でZEHの評価方法について言及されている。

外皮平均熱貫流率(U A 値)とは
天井または屋根・壁・床・開口部それぞれの熱貫流率を求め、
合計した値を外皮表面積で除した値。

日本の家庭部門における最終エネルギー消費量は石油危機以降約2倍に増加し、全体の15%程を占めています。

また、東日本大震災後の《電力需給のひっ迫》や《エネルギー価格の不安定化》などを受け、
家庭部門における省エネルギーの重要性が再認識されています。

加えて、2015年7月に策定された長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)では、
省エネルギーについて、石油危機後並の効率 改善(35%程度)を見通しとして示しており、その実現のためには、住宅そのものの省エネが不可欠となっています。


ZEHの普及により、家庭部門におけるエネルギー需給構造を抜本的に改善することが期待されます。

【住宅に関するエネルギー施策】

2007年11月に公表されたIPCC第4次評価報告書によると、

住宅・建築分野(民生部門)のCO2排出量の削減ポテンシャルは全部門の中で最も大きく、
一般的に先進国ではCO2排出量全体の3、4割を住宅・建築分野が占め、かつ増加傾向に歯止めがかかっていないことが危惧

されている。

その中でも家庭で排出されるCO2は全体の15%程度を占め、1990年度から2010年度の比較では1.35倍に達している。

そこで、CO2削減につなげていくためには住宅の断熱性能の向上や高効率の空調・給湯器の導入、適切なエネルギーマネジメントを実施し、住宅での消費エネルギーの抑制が急務の課題であるといえます。

そこで、省エネ基準の1つとして「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」が平成25年度より施行され、適合する住宅には補助金の制度も合わせて提示されました。

ZEHとは、

高い「断熱」性能をベースに
高効率機器やHEMSによる「省エネ」
太陽光発電などによる「創エネ」
を組み合わせることで、住まいの年間一次エネルギー消費量が正味おおむねゼロになる住まいのことである。

経済産業省では、「2020 年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標とし、普及に向けた取り組みを行っています。

【世界の省エネ対策】

世界のエネルギー対策として、イギリスでは2016年までに全新築住宅のゼロカーボン化を掲げ、フランスでも2020年までに全新築住宅をエネルギー・ポジティブゼロ以下となるよう規定するなど、先進国を中心に住宅のゼロエネルギー化、低炭素化への取り組みが加速しています。

温熱環境のさまざまな指標

温熱環境の性能を示す指標には、
①熱の出入りを示すもの(Q値、U値)
②日射取得の度合いを示すもの(η値)
③気密性を示すもの(C値)
がある。

熱貫流率(U値)

熱貫流率(U値)とは、
建物外皮の各部位から熱の貫流によって損失する熱量を示すもので、建物の各部位の面積1㎡から、建物内外の温度差が1度あるときに1時間当たりに流れる熱の量をいう。

値が小さいほど断熱性が高い。各部位の熱貫流率は各材料の伝導率λと厚みdによって求められる。また、各部位における熱の損失量は、熱貫流率に部位の面積を乗じることによって求められる。つまり、面積の広い部材の熱貫流率が大きいと断熱性が悪くなる。

U値は各部位の断熱性を示すもので、住宅全体としての総合的な評価を示すものではないことが留意点である。

○U値を向上させるためには、部材の断熱性能を上げる。

(例)
・壁厚が一定の場合    = 断熱性能がより高い断熱材を使用して対応する。
・壁厚を変えられる場合  = 同じ断熱材でも、厚みを増やすことで対応できる。

相当隙間面積(C値)

一般に、建物の外皮には無数の隙間が存在している。
これらの隙間を集めて、それに相当する単純開口としたときの大きさを、建物の延床面積で除した値を相当隙間面積(C値。単位はc㎡/㎡)と言う。

隙間の量が小さいほど気密性が高く、相当隙間面積が小さいほど、気密性が良い建物ということになる。次世代省エネルギー基準では、地域の区分に応じて下表に掲げる数値以下となることが求められる。

○C値を向上させるためには、漏気を減らす。

(例)
・エアタイトサッシを使う。
・施工精度をあげる。 (召し合わせ部分に隙間をつくらないなど)

外皮平均熱貫流率 (U A 値)

外皮平均熱貫流率とは、

(U A 値)とは、建物内外の温度差が1度のとき、1時間に損失する熱量を延床面積で割ったものであり、値が小さいほど、断熱性が高い。

熱損失係数を求める場合、建物外皮から貫流によって損失する熱量と換気によって損失する熱量の合計を延床面積で除して求める

次世代省エネルギー基準では表のように地域の区分に応じて基準値が設けられている。

○U A 値を向上させるには、特に熱の出入りの大きい窓のU値を小さくする(改善する)ことが有効である。

(例)
・トリプルガラス(クリプトンガス入)を用いる。
・高断熱サッシを用いる。

U値、C値、U A 値の関係

UA値は住宅全体としての総合的な断熱性能を示すものであり、U値とC値などから求められ、断熱性能を判断する上で重要な値である。

一般にU値・C値が向上すると、U A値も向上し、断熱性の高い家だと言える。

U値  =  部材の断熱性能
C値  =  住宅の気密性能
UA値 =  住宅の断熱性能

夏期日射取得係数(μ値)

夏期日射取得係数(μ値)とは、

図に示すように、「家がないとした場合、家の床に相当する部分に入る日射熱量(Jo・S )」に対する「実際の家の床が受ける日射熱量(I)」の冷房期間中の平均的な比率であり、次世代省エネルギー基準では表のように地域の区分に応じて基準値が設けられる。

μ(日射取得係数) = I/J0・S
I  : ある期間において、建物内に入る総日射量の平均値
J0  : その時期における、屋外の水平面が受ける日射量の単位面積当たりの平均値
S  : 床面積の合計

μ値は、夏期の暑い日差しが、どの程度屋内に入るかという指標であるが、冬期は日差しのもたらす暖かさは、暖房性能の向上に影響を与える

ところが、窓の大きさを季節によって変えることは不可能なので、後述の遮熱の項に示すような方法で、夏期と冬期の日射をコントロールすることとなる。

UA値、μ値の限界

上記のようにU A 値 とμ値は、断熱性能の高さに関わる重要な指標である。

ところが、U A 値とμ値が小さくても省エネ住宅とはかぎらない点に留意する必要がある。

U A値は住宅の総合的な断熱性能を示すも のであるが、
断熱性能の高さ=省エネ性の高さとはならない点に注意しなければならない。

UA 値 、μ値を半分にしても消費エネルギーが半分になるとは言えないので、 U A 値 やμ値が直接的に省エネ性判断の指標とはなりにくいのである。

たとえば、遮熱ガラスの窓は断熱性が高く日射の侵入も低く抑えるので、建物のU A 値 、μ値は小さくなる
ところが遮熱ガラスは、冬にせっかく降り注ぐ日射熱までカットし、冬の暖房エネルギーを増やしてしまうことがある。

このように、省エネルギーのための部材は気候や方位等によって上手な使い方が必要であり、これはU A 値 、μ値だけでは判断できないので、注意が必要である。

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