【設計初心者必見】住宅の断熱目的と効果の基本

住宅を断熱する目的

断熱の目的

1) 快適性の向上と健康の維持

室内の温度差 を減らし、住まい全体の温度を均一化することによって、ヒートショックなどを防止し、健康で快適な居住空間を得る

2) 省エネルギーと地球環境の保全

冬期は室内から室外に逃げる熱を抑え(暖房負荷の低減)、夏期は室外から室内に流入する熱を抑え(冷房負荷の低減)、暖冷房のためのエネルギー消費を抑える。ひいては二酸化炭素の排出抑制、地球温暖化の防止などに役立つ。

3) 結露の防止

室内や壁内部等での結露発生を抑え、結果としてカビやダニによる人体への影響を軽減し、健康的な生活環境を実現すると同時に、建物の耐久性を向上させる。

断熱性が悪いと…

結露とは

結露とは、冷たい液体を注いだコップの周りに水滴がついたり、風呂の天井から水滴が落ちてきたり、窓ガラスに水滴が付いたりするなど、暖かい湿った空気が冷たいものに触れたとき、水蒸気が凝結して水滴になる現象。

◇ 飽和水蒸気量
空気が含むことができる水蒸気の量には、限界がある。これ以上含むことのできない状態を飽和状態という。

そのときの水蒸気の量を飽和水蒸気量、圧力を飽和水蒸気圧という。温度が高いほど 、たくさんの水蒸気を含める(つまり飽和水蒸気量は温度が高いほど多い)。塩や砂糖が、水の温度が高いほどたくさん溶けることと同様の現象である。

◇ 露点(露点温度)
水蒸気を含む空気を冷やしていくと、気温が高いうちは、すべて水蒸気のままでいられる。

しかし、さらに気温が下がりその空気が含んでいる水蒸気が飽和に達すると、水
蒸気は凝結をはじめて、ものの表面に水滴としてつくようになる。この水滴ができ始める気温(水蒸気の量が飽和状態になるときの気温)を露点(露点温度)という。

内断熱・外断熱

内断熱 、外断熱について

断熱の工法として、「内断熱」、「外断熱」という用語が広く流布しているが、正確には、これらはコンクリート造のように蓄熱体に断熱をする場合の呼び方で、鉄骨造や木造のように蓄熱体の存在しない場合の断熱はそれぞれ充填断熱、外張り断熱と呼ばれて区別される。

ちなみに鉄骨は、コンクリートのように蓄熱性をもたず、木材のように断熱性もないので、すぐに熱して、またすぐに冷えてしまう。つまり、鉄骨はヒートブリッジ(熱橋)になりやすいので、結露防止のためには鉄骨に対する断熱処理が重要である。

断熱材の種類

断熱材は、原則的に、熱伝導性の低い原材料を加工して、内部に大量の気体(空気など)を含ませ、かつ、内部での気体の移動を抑止し、熱対流を抑えることによって断熱を行う材料である。

住宅でよく用いられる断熱材には、無機繊維系、発泡プラスチック系、木質繊維系などがある。

無機繊維系・ 無機質の原材料を細い繊維にして綿状に加工したもの
・ 素材にガラス繊維を用いたグラスウール、鉱物繊維を用いたロックウールがある。
・ 素材自体が、燃えず、劣化しにくいので、耐火性、耐久性が高く、有毒ガスが発生しにくいので火災時の安全性が高い。
・ 綿状であるので遮音性にも優れる。
発泡プラスチック系・ 樹脂を発泡させボード状に成形したもの、あるいは、現場で発泡させて部材に密着させるものがある。
・ 無機繊維系と比べた場合、一般的に厚さが 薄くても高い断熱性能を発揮できる。
・ 内部に水分を含むことによって素材自体の断熱性が落ちる懸念はない。
・ 現場発泡品は、施工時の気温や湿度によって気泡の大きさや含み方に差が出るので、つねに一様の効果を得られるとは限らない。よって、施工時の条件については留意が必要。
・ 材料の性質上、防火面での安全対策が取られているかどうかが問題となる。現在では、火を受けても、表面が炭化し、その炭化被膜によって火から守る製品もあり、防火性は向上してきている。
・ 燃焼時に、青酸ガスなどの有害ガスが発生するものもあるが、ごく微量で危険性は 高くないと言われている。
有機繊維系・ 天然の木質繊 維、木材から取り出した繊維質などを利用した断熱材。
・ 繊維の中にある気泡に含まれる空気により断熱を行う。
・ 原材料に湿気を吸放出する性質があるので、内部結露を抑制できると言われる。
・ 原材料には、リサイクルされた木材や未利用木材を使用しているものもある。
・ 古新聞を粉砕して綿状にしたセルローズファイバーを壁体内に吹き込む手法もある。(セルローズファイバーは、吸放湿性、吸音性、防虫性に優れていると言われている)
・原材料は燃え易い物が多いが、防火面の安全対策を施し燃えにくくしている物もある。

断熱性能の比較

熱の伝えやすさは物質によって異なる。身の回りにある物 質の、同じ熱量を伝えるための厚さを表現したものであり、厚いほど熱を伝えやすく、薄いほど断熱性が高いことを示す。

例:空気>木>レンガ>土>コンクリートの順に断熱性が高いということになる。

断熱材は、空気の断熱性の高さを利用したもので、どれだけの空気をどのように含んでいるかが、ポイントとなる。

さて、夏の風物詩の「すだれ」は、遮熱によって熱の流入を防ぐものであると誰もが考える。もちろんたくんの陽光を遮るので、遮熱効果はとても大きい。それに加えて、すだれの材料となる葭(よし)や蒲芯( がましん ガマの芯)などはストローのように中空なので、空気層があるのと同じ働きをし、断熱効果を高めているのである。

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