【住宅検討前に知っておく】住宅の耐久性がなぜ必要なのか?

住宅に耐久性が重要視されている背景

環境破壊(環境問題)

かつては環境問題といえば、公害など、どちらかというと限られたエリアでの問題と捉えられていたが、
現在では、温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨など、全地球的な課題として捉えられている。

住宅に関わることで言うと、たとえば木材を産出するための大規模な森林の伐採、
建設や解体に伴って生じる廃棄物の処理や不法投棄などの問題が大きい。

森林伐採

大きな環境問題のひとつとして、森林破壊があり、熱帯林の減少は深刻な問題となっている。

2015 年の世界の森林面積は約 39.9 億ヘクタールで、全陸地面積の 30.6 % を占めている。

森林が 増加している国も見られるが、世界全体の森林面積は減少を続けている。

特に 20102015 年の 5 年間に 330 万 ha もの森林が減少しており、 1990~2015 年の 25 年間と比較すると近年は減少スピードが加速していると言える。

国連食糧農業機関( 「 Global Forest ResourcesAssessment 2015 」より

廃棄物

建築工事では施工時、解体時に大量のゴミがでる。

平成 24 年度建設副産物実態調査結果によると 、全廃棄物量に対して 3 割以上 の建設廃棄物を 新築・改築、解体時に 発生させ ている ことがわかる。

住宅一棟の解体~新築に伴う廃棄物量は家庭ゴミ 34 年分と言われているが、特に解体については、 2000年(平成 12 年)に施行された建設リサイクル法により分別解体及び再資源化等の義務付けがなされるなど、具体的施策が推進されている。

そこで、従来のスクラップアンドビルドではない建築物のあり方が求められている

経済性

耐久性に紐付けて 経済性を考えると、イニシャルコストよりもランニングコスト、ライフサイクルコトとしての意識が重要となる。

一般にランニングコストというと、光熱費などのエネルギー消費に関するコストが意識されるが、
耐久性からは、メンテナンスの程度がコストに関わってくる

躯体や材料がメンテナンスフリーであること(あるいはメンテナンスフリーに近いこと)によって、メンテナンスコストが抑えられる。

ライフサイクルコストには解体のコストも含まれる

建設リサイクル法の施行により、解体コストは上昇したが、住宅自体が長持ちするようにしておけば、ライフサイクルコストにおける解体コストの比率が相対的に下がることになる。

また、リフォームの可能性も含めて居住形態の変化に柔軟に対応できることも、住宅自体が長持ちすることにつながる。

ライフサイクルにおけるメンテナンスの重要性

耐久性を高め、ひとつの家に末永く住みつづけられることは、経済面でのメリットが大きいが、そのためには配慮ポイントがある。

  1. 増改築にスムーズに対応できる柔軟な構造
  2. 多彩な変化対応システムを用意すること

また、住宅では、基礎や躯体という骨格部分の耐用年数は数十年以上であるが、それより耐用年数が短い 材料や部材も多く使われるので、メンテナンスは重要な位置づけを担う 。

それぞれの部材や材料のおおまかな耐用年数はあるが、それぞれの部材や材料の材質、使用場所によって一様にはならない。

そのため 、健康診断のつもりで、気になる箇所がなくても、定期的に点検を行っておくことが望ましい

主な点検内容

屋外:基礎のひび割れ、目地や外壁パネル、外装の塗装、手摺の固定状況、屋上やベランダの防水シート、雨樋の接続具合などを点検。

屋根:勾配屋根の表面状態は地上から、勾配屋根の内部の状態は小屋裏から確認。

躯体:錆、目地の亀裂を点検口から目視で確認。

屋内:玄関や勝手口ドア本体のチェック、サッシ、網戸、雨戸の開閉状況、キッチンシンク下の水漏れの点検など。

耐久性の重要性とポイント

家には数十年単位で人が住む。

その長い間の変化により、建物すなわちハードウェアは劣化して充分な性能を果たせなくなり、家族は住み方すなわちソフトウェアを変えていく

したがって、ひとつの家に永く住まうためには、建物(ハードウェア)の耐久性と、機能(ソフトウェア)の耐久性(可変性、柔軟性)が求められる

これと同時に、美観という観点も重要である。

美観は、自分の家だけに関わるものではなく、町並み形成にも影響するものである。

美観は「我が家」や「我がまち」への愛着を深める要素にもなる

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